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【優待クロス】ライオンを例に一般信用と制度信用のコストの違いを計算してみる

こんばんわ。はやひで@淡々ブログです。

私は優待クロス初心者ですが、取引にかかるコストがイマイチ分かりづらいですよね。なのでちゃんと計算してみました。

優待クロス取引にかかるコストを計算

2018年12月にライオン(4912)をクロス取引しました。その時は一般信用にしましたが、逆日歩のつく危険のある制度信用でも問題なかったようです。逆日歩は105円(7日分)、制度信用の貸株料は51円(推定)でした。一般信用の貸株料は、179円だったので、制度信用のほうがほんの少しだけお得だったことになります。

このあたり、クロス取引を始める時にとても分かりづらいので、解説記事を書いてみることにします。私もすぐ忘れてしまうので、自分用の備忘録でもあります。私も詳しく調べ始めたのは最近なので間違いがあればすみません・・。

一般信用と制度信用とは?

クロス取引では、買いと信用売りを同時に行うことで、権利落ちでの株価暴落の影響を受けないで株主優待を取得します。この時の信用売りには大きく2つの方法があります。

一般信用

証券会社から株を借りて、その株を売るというものです。株を借りている期間に応じ、利息が発生します。ネット証券だと年3.9%などです。証券会社が貸し出せる株には限りがあります。それが売建在庫として確認でき、在庫が0だと信用売りできません。

制度信用

証券会社から株を借りて、その株を売るのは一緒ですが、その株は証券金融会社から証券会社が借りたものになります。ネット証券の貸株料は1.1%などです。ただし信用売りが増えると株が足りなくなって、逆日歩がつくことがあります。これが権利日にいくらになるのか予想がつかないので、3千円の優待を取るのに1万円かかったとか、とんでもないことになるわけです。


なので、貸株料は少し多めにかかるけど、優待クロスの広まった今は一般信用の方が安心ということです。

ライオンの優待取得にかかる手数料は?

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2018年12月取得のライオンについて、具体的な手数料を確認します。証券会社はGMOクリック証券です。ライオンの売建在庫は最終日まで◎だったので、過去の実績から制度信用で問題ないと思われていたのかも?(私も過去ライオンをクロス取引したことがあって、そのときは制度にしました。)

こちらがライオンの取引履歴になります。

現物買い+一般信用売りの場合

計算式は下記となります。

  • ①現物買い手数料+②一般信用売り手数料+③貸株料

GMOクリック証券の手数料は以下のHPより確認出来ます。

GMOクリック証券 - 現物取引 手数料 | 株式取引 | サービス一覧

GMOクリック証券 - 信用取引 手数料 | 株式取引 | サービス一覧

 今回は、①現物買手数料260円+②0円+③貸株料179円=439円でした。
②信用売りの手数料は183円ですが、キャンペーンで0円でした。仮にこれが加わると622円です。

貸株料の計算

一般信用(短期)の貸株料は年率3.85%。ライオンの株価は2,127円だったので、100株の1日あたりの貸株料は2,127円×100株×0.0385÷365日=22.4円。

日数の計算が面倒です。
今回、権利最終日が12/25。よってギリギリの12/25に現物買いと信用売りしました。この場合の受渡日は3日後の12/28です。また、権利落ち日が12/26なので、この日に現渡しをしますが、この場合の受渡日は12/29~1/3までが休みのため、1/4となります。したがって、12/28~1/4までの日数「8日」が、株を借りる期間となり金利が発生します。下記HPが参考になります。

信用取引の金利の発生日数について教えてください。 | よくあるご質問 | GMOクリック証券 - 業界最安値水準の手数料体系!GMOクリック証券ではじめる株取引

よって、22.4円×8日=179.2円。ということで貸株料は179円になります。

現物買い+制度信用売りの場合

計算式は下記となります。

  • ①現物買い手数料+②制度信用売り手数料+③貸株料+④逆日歩

制度信用の場合、④逆日歩が加わります。計算してみます。
①現物買手数料260円+②0円+③貸株料51円+④逆日歩105円=416円です。
②信用売りの手数料は183円ですが、キャンペーンで0円でした。仮にこれが加わると599円です。
一般信用との差は、たったの23円!

貸株料の計算

一般信用(短期)の貸株料は年率1.1%。ライオンの株価は2,127円だったので、100株の1日あたりの貸株料は2,127円×100株×0.011÷365日=6.4円。
よって、6.4円×8日=51.2円。ということで貸株料は51円になります(恐らく)。

逆日歩の計算

次に逆日歩の計算です。日証金のサイトから確認できます。
権利日12/25の逆日歩は、1.05円/7日です。この7日というのは、正月休みを挟むためで、逆日歩の日数の計算は、上記貸株料の発生する日数より1日短くなるようです。よって、100株の場合の逆日歩は105円です。

信用買いの方が手数料が少しお得

買いは現物買いでなく、信用買いという手もあります。その方が手数料が安そうですが、今回私はよく分かってなかったので、現物買いにしています。

計算式は下記となります。

  • ①信用買い手数料+②信用買い金利+③信用売り手数料+④貸株料

今回の場合の①信用買いの手数料は183円、②金利は年3%です。なお、GMOクリック証券はこの時期キャンペーンで、12/28まで信用取引手数料が無料だったので、信用買いでやってみるべきだったかも。
キャンペーンがなければ、現物買いの手数料と信用買いの手数料の差が、金利と比べてどうかということになるんでしょうね。

上記以外に配当落調整金も?

信用売りで配当の付く権利付最終日をまたぐ場合、配当金に相当する配当落調整金を支払う必要があります。現物株で受け取る配当は約20%の税金が引かれていますが、支払う方は税金が引かれていない配当金額となります。よってその差分(税金分)がマイナスになります。ただし、特定口座(源泉徴収あり)の場合は損益通算されるので、このマイナスはあまり気にしなくてよさそうです。

まとめ

制度信用の場合、仮に逆日歩が付かなかったとすると、上記計算より105円安く優待をゲットできるということになります。それを考えても105円+23円の128円の差ということになります。これをどう考えるかですが、このくらいの差であれば、私は一般信用で安心を取りたいですね。なお、ライオンの優待は2,000円程度のものなので、600円程度でゲットできるのはまあお得なのではないでしょうか。 

かなり簡単化して書いたつもりですが、これでも長くなってしまいました・・。